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自社支援を行う場合、企業はどこまで対応しなければならないのか?

特定技能1号を受け入れる企業は、支援を登録支援機関に委託することもできますが、自社で支援を行うことも可能です。
ただし、自社支援を選ぶ場合は、単に「社内で面倒を見る」という意味ではなく、制度で求められている支援を計画どおりに実施し、必要な記録や届出にも対応する必要があります。
① まず必要なのは「支援計画」の作成
自社支援を行う場合、企業は1号特定技能外国人支援計画を作成し、在留資格の申請時に提出しなければなりません。
この支援計画には、だれが・いつ・どのように支援を行うのかを具体的に記載する必要があり、後から変更が生じた場合には届出が必要になる場合があります。
② 生活オリエンテーションや相談対応を行う
自社支援では、入国後の生活オリエンテーション、行政手続きに関する案内、日常生活や就労に関する相談対応など、日本で安心して生活・就労するための支援を行う必要があります。
これは技能実習から継続して雇用する場合でも同様で、特定技能制度に基づく支援として改めて実施することが求められます。
③ 3ヶ月に1回以上の定期面談が必要
特定技能1号では、定期的な面談を3ヶ月に1回以上行う必要があります。
出入国在留管理庁は、2025年の制度運用改善後もこの頻度は従前どおりであると案内しており、外国人本人だけでなく、その上司等との面談も含めて実施し、問題があれば必要な対応を取ることが求められています。
④ 支援の記録を残し、必要な届出を行う
自社支援では、支援を実施するだけでなく、実施した内容を記録し、定期届出や随時届出に対応することも必要です。
現在は、受入れ・活動・支援実施状況に係る定期届出は年1回の提出となっていますが、支援の実施状況や労働時間数、給与の支給総額なども報告対象に含まれます。
⑤ 支援ができなくなった場合にも対応が必要
自社支援を選んだ企業でも、実際には体制変更や人員不足などで、計画どおりの支援が困難になることがあります。
その場合、2025年4月からの運用では、支援計画に基づく支援の実施が困難となったときに届出が必要とされています。つまり、自社支援は「最初に選べば終わり」ではなく、継続して運用できる体制が前提です。
⑥ だれが支援を担当するのかも明確にする
自社支援では、支援責任者や支援担当者を定め、だれが支援を実施するのかを明確にしておく必要があります。
また、支援担当者に変更が生じた場合などは、支援計画書の変更や届出が必要になることがあります。社内で自社支援を行う場合は、制度対応を特定の担当者任せにしすぎず、引き継ぎや管理体制も含めて整えておくことが重要です。
まとめ
自社支援を行う場合、企業は単に外国人材の相談に乗るだけではなく、支援計画の作成、生活・就労支援の実施、3ヶ月に1回以上の定期面談、支援記録の管理、定期・随時届出への対応まで行う必要があります。
制度上、自社支援は可能ですが、実際には継続して運用できる体制がなければ難しい場面もあります。自社でどこまで対応できるかを冷静に見極めたうえで、必要に応じて登録支援機関の活用を検討することが重要です。
2026.03.18